アテネの学堂に込められた『ラファエッロの秘密』

久々の雨が降った2019.1.31(KIN98)、イタリア文化会館で行われたとある講演会に足を運んだ。美術史家コスタンティーノ・ドラッツィオ氏による新刊『ラファエッロの秘密』の出版を記念したもので、著者自身がこの本の概要を解説し、翻訳者でもある上野真弓さんが通訳をするという贅沢な内容。

2016.7.27(KIN220)に、同じ場所で同じお二人による『レオナルド・ダ・ヴィンチの秘密 天才の挫折と輝き』の出版記念講演が行われた時は、ちょうどローマとフィレンツェへの旅の直前で、その参考になるかもしれないという理由もあって参加したので、正直、本の購入はあまり考えていなかったのだが、講演を聴いてその場で考えを改めたという経緯がある。

ドラッツィオ氏と三巨匠

何か突拍子も無い珍説や新説を持ち出す訳でも、憶測で面白く話を仕立てる小説的手法を取る訳でもなく、様々な資料を綿密に検討しながら人間ダ・ヴィンチを掘り下げるという切り口が素晴らしく、とても面白かったのだ。この著者なら大丈夫という事で、今回は開始前に購入して、ばっちりサインもしてもらってから講演を楽しませて頂いた。

2年半前の講演がきっかけとなって、ダ・ヴィンチの誕生キンがKIN186(4・世界の橋渡し)である事を知り(【パレンケとダ・ヴィンチが「青いスペクトルの嵐」を呼ぶ】参照)、今回は、そのKIN186の道筋を自ら歩んでいる状態、つまり4次元的にはダ・ヴィンチ状態でラファエッロについての講演を聞くのだから、何とも不思議な時の巡り合わせである。

時の巡りと言えば、この新刊の帯には「37歳で自らの誕生日に死すという完璧な伝説を作った巨匠」という一文がある。実際、ラファエッロはユリウス暦だと、1483.4.6に生まれ、1520.4.6に死んだという事になっている。しかし、これをグレゴリオ暦に変換すると、生まれが4.15、死が4.16となる。ここから「KIN3D」を使うと以下のようになる。

★ラファエッロ・サンツィオ
生年:1483年4月15日、KIN52(13・人)
没年:1520年4月16日、KIN38(12・鏡)

ローマのパンテオンにあるラファエッロの墓。2016.8.31(KIN255)に訪れている。

このユリウス暦とグレゴリオ暦の違いを通じて、暦というものは、あくまでも人が定めた相対的なメジャーに過ぎない事を、我々は真に理解する必要がある。ここで用いた『13の月の暦』も、本来はそうした相対性を深く実感するためのものであり、識別力や自己反射能力を失ったゾンビ人間を再生産するための道具ではないのだ。

バチカン美術館の「アテネの学堂」

さて、今回のラファエッロに関する講演が、先のダ・ヴィンチの時と違っていたのは、取り上げられていた作品のうちの幾つかを、既に現地で実際に見て来ていたという点にある。特に「アテネの学堂」は、バチカンでじっくり見ていたので、ドラッツィオ氏の解説を非常に興味深く聞くことが出来た。この絵の秘密については、ぜひ直接、新刊に当たってみてほしい。

その翌日の2/1(KIN99)、ある打ち合わせでサイゼリヤを訪れると、何とそこには前夜取り上げられていた「アテネの学堂」が!『13の月の暦』的には、銀河の音7(共振)が月日で重なる「魔術の亀の日」に行われた講演会だっただけに、早くも「魔術」が炸裂したようだ。

サイゼリアの「アテネの学堂」

確かにイタリアが意識された店ではあるが、それっぽい絵とか写真は他に幾らでもあるだろうに、まるで狙ったかのように「アテネの学堂」。そもそも、私がサイゼリアを選んだ訳ではなく、選んだ人も私がドラッツィオの講演会に行ったことなど知る由もない。だからこそ面白いのだ。

しかし、実物を目にしていると、サイゼリヤの「アテネの学堂」は、構図は同じでも全く別な絵に見えてしまう。それはまるで、本場のパスタとサイゼリアのパスタの違いのようでもある。ローマ教皇の依頼で最高の絵を制作しようとしたラファエロと、お店の壁を飾るちょっとした絵として写真か何かから起こしたものとでは、志も制作費も全然違うのだから違って当たり前なのだが、それでも何がその違いを際立たせるのだろうかと考えてしまう。

それにしても、サイゼリヤ。ひと月ちょっと前にも、かなり面白いシンクロがあった。その時は、自分がお店に行った訳ではなかったが、現在放映中の『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』とも関わっているので、改めてリンク【ゴッドファーザーの猫が呼ぶ「黄金の風」】を貼っておこう。

そして、最後になったが、新刊翻訳者の上野さんのブログ「ローマより愛をこめて」は、何かと役立つ情報が多く、イタリア旅行時だけでなく、東京のお店についても色々と参考にさせて頂いている。この場をお借りして、新刊の翻訳、講演会の通訳、そして有用なブログ記事の数々に、感謝申し上げる次第である。(D)

共振の月26日 11・風(KIN102)

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