断食中の剣武稽古を通じて気づいた事

シャンバラ教室展を終えてから、恒例の『13の月の暦』年末断食を7/13までの5日間行っていた。復食にも断食期間と同じ時間をかけるようにしているので(断食期間の1.5倍位が良いという説もある)、5日の断食でも10日間は通常の食事はしない事になる。

できれば1週間〜10日位はしたいのだが、色々と予定があるとそういう訳にも行かず、今回は水だけで5日間とした。旅とイベントの疲れが出たのか、天気の関係か、初日の夜から2日目にかけては頭痛や熱っぽさが出て、今までの断食経験の中でも比較的強めのダルさを感じ、横になる時間が多かった。

3日目の朝、起き上がった時には貧血で視界が白っぽくなるような状態で(これは毎度の事)、朝の体操(天真柔操)を行っている間もそれが続いていたが、自然排便があってから一段階抜けた感じになり、かなり心身がスッキリした。滝行でも短時間で似たようなプロセスを体験するが、それまでと異なる状態に移行する時には、色々と反応が出るのだろう。

4日目(KIN260)も朝は貧血状態だったが、午後の剣武本部師範研究稽古の頃までには段々調子が戻って来て、組手で転がってパッと起き上がっても全く貧血を感じる事は無かった。多少疲れやすい感じはあったものの、割と普通に動けたのは、一緒に稽古したメンバーに助けられていた面も多分にあると思う。

しかし、ジャンプが効いたのか、5日目(KIN1)の朝は起き上がるとふくらはぎを中心に脚に強い筋肉痛。歩くのもしんどい感じだったが、天真柔操をしていくと次第にやわらいで来た。動かしていると回復が早くなるのを感じる。午後の剣武本部稽古でも結構動いて、「思った以上に動けるものだ」と思う。しかし、終盤に足がつりそうになって、一時休憩させてもらった事はメモしておこう。

貧血気味で酸素が筋肉に回る量が減る関係か、断食中はすぐに筋肉痛になり安く、普段より早い段階で疲労を感じ始める。ただ、目覚めた時には筋肉痛で動けないくらいの状態でも、しばらく運動してから歩き始めると、殆ど痛みを感じなくなるのは、大きな発見だった。

何故なら、もしもずっと横たわっていたら、ずっと筋肉痛を感じる状態のままだったという事でもあるからだ。この体験は、病気からの回復などにも大きなヒントになる。できる限り動かしている方が、回復はずっと早まるはずだ。適度な循環状態を生み出すには運動するのが一番で、我々は動いて健康になるようにできている動物なのだと改めて思う。

それと、顔の面積に対して目が相対的に大きくなる(目が窪み気味になって瞼が引っ張られるからだろうが)のも、今回あらためて気づいたポイントだ。一般には、年齢とともに顔の面積に対して目は小さくなるから、これは若返り現象の一つと言えるかもしれない(笑)。

復食1日目(KIN2)は、白湯にほんの少しだけ味噌を溶かして頂いた。おもゆから始めるやり方なども試して来たが、様々な経験と実験から、今は、味噌で復食するのが我が家の流儀となっている。復食といっても前半は固形物を取らないので、体重は減り続ける。この時点で断食開始から-4.3キロ。

午後は剣武本部の宗家稽古。筋肉痛が抜けきらないままだが、やはり動いていると何とかなってしまうから面白い。ここしばらくの中心テーマである天真華厳練気組手をやると、意識の状態によって(自分の)重心というか力の出所が変化するのが良くわかる。また、掌から伝わる間の締まり方が変化するのも明瞭に感じられて興味深かった。

これは、断食中の稽古という状態による恩恵だろう。全体的に普段より力が入らないので、どこに力が伝わってきて、どこから出ているのかが分かり易いのだ。稽古に関係のない場面でも、今回は、口(顎)と肩に無駄に力が入っているのに何度も気付いた。知らぬ間に力が入る場所があるのだ。

宗家の号令でジャンプした時は、全体が一気にまとまる感じがあって解放感に包まれたが、同時に、どうやったらあの感じが出せるのかとも思ってしまう。はっきりしているのは、断食中でも体調不良状態でも、稽古に出ると元気になるいう事。これは四半世紀稽古し続けて来て常に一貫している事だ。

だから私も、「ちょっとダルいとか、疲れたとか、風邪気味だという時には稽古に参加した方がいい」と言えるのだ。天真体道(瞑想、剣武、書法)の稽古は、単なるスポーツ的な運動とも違って、からだの力みが抜け、心のわだかまりが取れ、意識がクリアになるという特徴がある。気分的に落ちているような時も、稽古をすれば「あれ?何だったんだ?」というような事が良く起こる。

百聞は一見にしかずで、体験してみるのが一番早いが、地理的な事情その他でそれが叶わない方は、『天地人々ワレ一体 宇宙ととけあう究極の心法』をご一読いただければと思う。青木先生のお仕事を紹介させて頂いた本ではあるが、実験者、実践者としての立場からも書いているので、稽古や学びについて関心のある方には、参考にして頂けるかと思う。(D)

宇宙の月20日 4・種(KIN4)

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