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青い水晶の嵐の年(2004.7.26 - 2005.7.25)自己存在の月
ヒマラヤ・インド・シンクロニック・ジャーニー


自己存在の月4日(G10/21)8・世界の橋渡し KIN86「シンクロニック・ダラムサラ」(by  D)

 列車の揺れで自然に目が覚めると、ちょうど夜が明ける頃だった。程なくして添乗員さん達が朝食にチャイとパンを配って下さる。ところでこの列車、車内放 送は無く、時間も”大体”ときてるから、自分達で注意していないと乗り過ごす事になる。ツアーの場合そんな心配は無用だが、停車時間が短いので、いつでも 降りられるよう準備は怠れない。インドではオンタイム扱いになる1時間程度の遅れで、無事チェキバンク駅に到着。ここから車4台に分乗してダラムサラへと 向かう。道のほとんどが舗装されていた事や、お天気が良かった事もあって(途中からはヒマラヤの山並みも良く見えた)、約3時間半のドライブも予想以上に 快適に過ごす事ができた。ダラムサラ上部のマックロードガンジ(ダライラマ法王の宮殿やナムギャル寺のある街)に辿りつき、車がホテルに向かう細い道に 入ったところで、赤ん坊を抱きかかえた女性とLの目がバチッと合った。なんと!出発二日前にインドから私達にヘルプの電話(赤ちゃん用のいいお菓子が無い ので買ってきて欲しいという内容)をよこしたRちゃんが立っていたのだ!運転手に「止めて!」と叫び、素早く機内持ち込みで運んできたお菓子を手渡し(次 に何時合えるかわからないので)、なんとか宿泊先だけは伝える事ができたが、狭い一本道であっという間に後ろに車が連なったため、驚きの再会を喜ぶ間も無 く車は出発した。それにしても、滞在日程と大雑把な場所しか伝えていない人と、街に入った瞬間に出会えてしまうこの不思議さ。携帯やネットが無くても、会 える時には会えるものなのだ。

 

 ホテルはマックロードガンジからさらに2キロ程山奥に入った静かな谷あいにあった。201号室(KIN201は、パドマサンバヴァ と関係の深い銀河ツール『7:7::7:7』において、2012年の冬至を含む「時間をはずした月」と対応している)で荷を解き、ホッとしたのもつかの 間、ランチを取ってすぐチベット子供村(TCV)へと向かう。ここでは、子供達が1つの宿舎に30〜40人ずつ入って(就学前の子から高校生位までが一 緒に)共同生活を送っている。各棟にはハウスマザーが一人いるだけで、あとは年上の子供が下の子供を助けながら、炊事洗濯他一切をまかなっているという。 子供だけを中国から亡命させるチベット人が多いのは、「家族全員が亡命して生活するのは難しい。せめて子供だけでもチベット語を学び、チベットの文化を伝 えるチベット人として生きていけるようにさせてやりたい。」という願いと事情があっての事だが、一度親元を離れたら2度と連絡が取れなくなってしまう(親 子双方の安全の為)というのは、あまりに可哀想だ。こういう現実を知った私達に一体何が出来るだろうかと考えると、色々な事が頭をよぎってしまうが、まず は自分達自身がそうであったように、殆どの日本人が知らないであろうこの事実を、どんな形でも良いから伝えて行くことが必要だと思った。

 ★取るものも取りあえず、まずは子供達の待つTCV訪問!

 ところで、世界中の協力者からの寄付で運営されているTCVには、一人一人の子供をサポートする(学費と生活費の面倒を見る)里親制 度もある。今回、ツアーに参加出来なかった里親から預かって来たお土産を、久保さんが一人一人里子に配りながら報告用の写真を撮る。私達がグループでサ ポートしているあどけない少女(9歳)は、数年前にヒマラヤを越えて来たのだという。また、近く高校を卒業する少年は、成績優秀で大学への進学を検討いて いる位だったが、難民であるチベット人がインド(その他の国)で進学したり職を得たりするのは、そう容易な事ではない。だが、そんな環境にあっても、子供 達の顔は活き活きとして、笑顔に満ち溢れていた。きっと、仏教の教えが生活の隅々にまで浸透し、実践されているからだろう。TCVの見学を終え、亡命政府 職員の車に乗せて頂いて街の中心部へ向かう。突然、職員の一人が「リチャード・ギア!」と叫びながら指差すので、窓の外を見ると、確かに彼を載せた車が横 を追い抜いていった。リチャード・ギアが熱心なチベット仏教徒である事は良く知られているが、まさかダラムサラでお目にかかれるとは思わなかった。ツイて る。
 
  ★里子達と。二人とも両親と別れヒマラヤを歩いて逃れて来た。

 ホテルでの夕食をパスさせてもらった私達は、夕方からの自由時間、街を散歩しながら土産物屋などを覗いて回った。本が沢山並んでいる店で、手 に入れようと思っていた本があった事を思い出す。『Masters of Meditation and Miracles』(トゥルク・ドゥンタップ著)という英語の本で、恐らくネットでも入手できると思うのだが、『7:7::7:7』というツールが生まれ た背景として、この本の77ページに登場する「パドマサンバヴァの7つの自己宣言」が深く関係していたので、今回の旅の中でなんとか手に入れたいと考えて いたのだ。しかし、どんな体裁をしているのかも不明な中、英語の背表紙がズラーッと並んだ本棚で、このタイトルの本を見つけ出すのは困難で、けっこう粘っ て探したものの、結局見つける事はできなかった。しかし、意外としつこい性格の私は、しばらく他のお土産なんかを見てから、「ラストにもう一回」と意識を 集中しつつ、本棚の前で目を閉じて瞑想状態に入った。そして、パッと目を見開いてみると・・・、何と!目の前に1冊だけその本があるではないか!!極意相 伝合宿で取り組んだ瞑想の賜物か、パドマサンバヴァの導きかは分からないが、とにかく小躍りするような気分で店を後にした。こういう波に乗っていると、シ ンクロはますます加速する。昼間、奇跡的な邂逅を果たしたRちゃんが、旅の仲間達と道端でだべっているではないか。しかも、今度はウワサの旦那(ヒン ドゥー行者、つまりサドゥー)も一緒だ!皆はちょうどホテルでの夕食に戻る所だったが、私達は元々外で食べるつもりだったので、チベットレストランで山の ようなモモをほおばりながら、Rちゃんファミリーとインドでのシンクロニックな再会を祝った。

 ★やっぱり会えたRちゃんファミリー。パパに会うのはこれが初めて!


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