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青い水晶の嵐の年(2004.7.26 - 2005.7.25)自己存在の月
ヒマラヤ・インド・シンクロニック・ジャーニー


自己存在の月5日(G10/22)9・手 KIN87「ナムギャル寺で遺伝子ON!」(by  D)

5:30に起床し、朝の勤行に参加すべくナムギャル寺へと向かう。ちょっと乱暴な運転をするタクシーだなと思っていたら、何とお寺のすぐ近く でお坊さんを轢きそうになって急ブレーキ。間一髪で事なきを得たが、乗っていた全員が座席から前に滑り落ちた程の止まり方だった。ホッと胸をなでおろしつ つ境内に入ると、心地よいお経の声が響く中、既にたくさんの人が集まっていた。しばらくして、バター茶とパンがあちこちで配られ始めた頃、遺伝子の研究で 有名な村上和雄先生を発見!同じタイミングでダラムサラにいらしているという情報は耳にしていたが、朝のナムギャル寺でお目にかかれるとは思ってもいな かった。皆の遺伝子のスイッチが一斉にONになるのを感じる。何でも、昨年の法王来日講演時のご縁(国技館で法王と対談をされた)で、法王と科学者達との 会議に出席されているらしい。しかも、その会議のスポンサーがリチャード・ギアで、昨日私達が見かけた直後くらいに先生と挨拶を交わしていた事も判明。こ れから法王のパレス(といっても中庭を挟んで50m位の所)へと向かわれる先生は、ツアーメンバーとの撮影会にひとしきりお付き合い下さってからお寺を後 にされた。私達も一度ホテルへ戻って朝食を摂り、一日のスケジュールを確認する。

 ★朝のナムギャル寺境内で「遺伝子オンで生きる」の村上和雄先生と。

出発前、タクシーが来るまでに時間があったので、久保さんの提案で少しだけ新体道のワークを行う。ダラムサラの晴れ渡った空に向かって身体を思いきり解 放する動きは、新体道に初めて触れる皆さんにも心地よく感じて頂けたようだ。午前中は、図書館、ネチュン寺、メンツィーカン(医学暦学研究所)等を順に巡 る。図書館には、命がけでヒマラヤを越えてきた人々によって運び込まれた経典や仏像、仏画(タンカ)等、「チベット文化の精髄」が収められていた。経典に ついては一般公開されていなかったが、その場に身を置くだけでも、見えない次元で「教え」をダウンロードさせてもらえる気がした。ネチュン寺では、久保さ んが代表して旅の無事を祈願し、メンツィーカンでは、薬になる植物や鉱物の標本展示を見学する。お土産コーナーで、Lの「良さそう!」というひと声に、 ビューティークリームや薬草キャラメルを一斉に買い込む女性群の姿は、妙に活き活きとしていておかしかった。

 ★息をのむ程美しいライブラリーはチベットの智慧の宝庫。博物館も併設され仏教講座も開かれている。 

お昼は、ホテル・チベットで元・日本代表部事務所代表で現・文部(教育)大臣カルマ・ゲレク・ユトクさんと昼食会。色々なお話を伺ったが、印象に残った のは、「日本はアジアで唯一歴史上チベットと対立したことの無い国である」という事と、「チベットの学生を日本で学ばせたい」という点であった。近い将 来、チベタンの留学生が日本で学べるようになるのを願うと共に、まずはこういう実状を少しでも多くの人に伝える事が、今の自分にできる事だと思った。その 後、ツアーメンバーはTCV代表のジェツン・ペマさん(法王のご姉妹)との面会に向かったが、ハードスケジュールに疲れが出始めた私達は(というか私がモ モの食べすぎかスパイスにやられてダウン)、早々にホテルに戻ってひと休みする。

夕方、再びナムギャル寺へと向かい、ツアーメンバーと合流。ツクラカン(中央本堂)で貫主ゲシェ・ダワから2時間程の仏教講座を受ける。チ ベット仏教には様々な派が存在するので、一概には言えないが、ゲシェ・ダワは、法王を除けば、実質上ダラムサラの僧侶の頂点に立つ人物である。そんな方か ら直接に、しかもこのような特別な場所で教えを受けられるのは、実にありがたい事である。ゲシェの語り口は柔らかく、お話もとても分かりやすいものであっ たが、何よりも印象に残ったのは、その笑い方である。ご自分で説明されながらおかしくなってしまうのか、突如「ウッヒャッヒャッヒャッ」と顔をクシャク シャにしながら声高に笑われるのである。何を一人受けされているのかわからないが、つられて私達も思わず笑う。そんなシーンが何度もあった。講座のテーマ は「瞑想」だったので、旅の直前に新体道極意相伝合宿で集中的な瞑想を行ってきた私にとっては、とても興味深い内容だったのだが、昼から崩れ始めた体調 は、この時ピークを迎えていて、ごく簡単なメモをとるので精一杯だった。ただ、チベット語の「瞑想」という言葉が、「心を慣らしていく」という意味を持っ ている、というお話はとても印象的だった。ところで、この時通訳をして下さったマリアさんは、昨年の法王来日講演の時も通訳をされた素晴らしい方で、私達 は普段、チベットサポートグッズの件などでも色々とお世話になっているのだが、今回のツアーでも様々な場面で大活躍して下さり、ツアーメンバーの皆から慕 われ感謝されていた。やはりいつもニコニコしている人には「徳」がある。

   

★ゲシェ・ダワ先生とマリアさん。 一度聴いたら忘れられない先生の豪快な笑いは、ダラムサラでも有名だそう。


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