写真は入塾一年目・基礎科生による個性あふれる「生命の実線」(世田谷美術館作品展覧会にて)
稽古の進め方
シャンバラ書道会のカリキュラムに従いつつ、それぞれが自由なペースで稽古を進めてゆく方式です。人と比べたり人に合わせたりする必要はありません。師範は一人一人の状況を把握しつつ、その時々に必要な指導を行います。同じ道を歩む道友の存在も、お互いに大きな励みとなるものです。シャンバラ書道会の稽古には、グループ学習の豊かさと、マンツーマン指導の細やかさが両立しています。
クラス構成とカリキュラム
クラス構成は「1、基礎科」「2、本科」「3、専攻科・師範科」の3段階。
シャンバラ書道会では「稽古全体のどの段階にいて、今何を学んでいるのか」を自分自身で把握できるように設計されています。(カリキュラムは下記を参照してください)
「1、基礎科」
基礎科では、多次元における稽古の基礎をしっかり養います。書の基礎技法はもちろんのこと、道の稽古における礼式や挨拶、心身を整える体操と瞑想、正しい姿勢と筆の持ち方、道具(筆、紙、墨)の扱い方などを、毎回一つ一つ丁寧に行ない染み込ませてゆきます。
実技科目 | 内容 |
書道理論: | 書とは何か?書道思想、書の歴史、書道と周辺知識の修得 |
円筆中鋒: | 「生命の実線」を基に練習 |
方筆中鋒: | 「生命の実線」を基にさらに練習を進める |
基本書法: | 基礎筆法 姿勢、筆の持ち方、タテ跳ね 左右払い ウ冠 点 転折 提按 他 |
「2、本科」
本科では、古典の名作を手本とした臨書学習(手本を見ながらそっくりそのまま書く)によって、書の力を身につけて行きます。お手本は、約3500年前の甲骨文字から始まり、全24課題を歴史順に書いてゆきます。それらをひたすら臨書することによって、古代から現代までを貫く「書の極意」を、時空を超えてダイレクトに掴んでゆくのです(臨書タイムマシーンと呼んでいます)。しかしながら、上手な臨書がゴールではありません。あくまでもこの先の、自分自身の自由な表現(自由書)に繋げるステップとして、臨書学習を行うのです。
科目 | 年代 | 段級位 |
甲骨文 | BC16世紀~ | 10ー3級 |
金文(青銅器文) | BC11世紀~ | 10ー2級 |
石鼓文 | BC5世紀~ | 10ー1級 |
篆書「泰山刻石」 | BC3世紀~ | 9級 |
隷書「石門頌」 | AD148 | 8ー2級 |
隷書「礼器碑」 | AD156 | 8ー1級 |
隷書「曹全碑」 | AD185 | 7ー2級 |
隷書「張遷碑」 | AD186 | 7ー1級 |
木竹簡 | 漢代 | 6ー2級 |
章草「急就章」宋克 | 3世紀 | 6ー1級 |
楷書「鄭羲下碑」鄭道昭 | AD511 | 5ー3級 |
楷書「孔子廟堂碑」虞世南 | 6世紀 | 5ー2級 |
楷書「九成宮醴泉銘」欧陽詢 | 6世紀 | 5ー1級 |
楷書「孟法師碑」褚遂良 | 7世紀 | 4ー3級 |
楷書「顔勤礼碑」顔真卿 | 8世紀 | 4ー2級 |
楷書「玄秘塔碑」柳公権 | 8世紀 | 4ー1級 |
楷行書「玄妙観重修三門記」趙孟ふ | 13世紀 | 3ー3級 |
行書「蘭亭序」王羲之 | 4世紀 | 3ー2級 |
行書「集王聖教序」王羲之 | 4世紀 | 3ー1級 |
行書「煙江疊嶂詩」趙孟ふ | 13世紀末 | 2ー3級 |
行書「李思訓碑」李よう | 8世紀 | 2ー2級 |
行書「ちょう渓詩巻」米ふつ | 11世紀 | 2ー1級 |
草書「祭姪稿」顔真卿 | 9世紀 | 1ー2級 |
草書「書譜」孫過庭 | 7世紀 | 1ー1級 |
修了制作 | 初段* |
修了制作作品の審査合格をもって初段となります
写真は本科臨書作品例(世田谷美術館作品展覧会にて)
「3、専攻科・師範科」
本科修了・初段取得後は、臨書はもとより、自由書の制作にもチャレンジし自分の書の世界をひろげて行きます。技術力や表現力、精神性。書だけでは無くあらゆる感覚を深化させることにも取り組みます。
(シャンバラ書道会/師範取得制度あり)