アボリジニ6万年の「水による癒し」

数日前、BBCの記事の中に「A 60,000-year-old cure for depression」という心惹かれるタイトルの記事を見つけた。直訳すれば「6万年前のうつ病の治療法」となるが、西オーストラリアのアボリジニに伝わる様々なヒーリング技法を代替補完医療として活用しようとする試みについての内容で、かなり長い記事だったので翻訳ソフトに助けてもらいつつ読み進めた。

記者が「水の癒し」を体験する終盤が特に興味深かったが、「川の水に浮かぶ」か「水を飲む」かの違いはあれ、やっている事の本質は、私が20年来「ウォーターセラピー」を通じて行って来ている事と同じであると思えた。例えば、今回の記事の中にある、以下のような表現がそれを示している。

“We’re all made up of vibration”
”water vibrational healing ceremony, which is meant to amplify the vibrations of one’s spirit”

ただ、ここに登場するバブレーション(振動、波動)は、物理的なものから精神的なものまでを含む、幅広い意味合いで用いられている言葉で、科学的な切り口でのみ捉えようとすると、本質を見失うことにもなりかねないので、注意を払いたい。

現代医学の立場を固持したまま伝統医療や代替医療を理解しようとすると、その手続きが理解できず、結果的に暗示やインチキというレッテルを一方的に貼り付けて片付けてしまう、という愚を冒す事になるからだ。

世界中の様々な癒しの技法の背後には、必ずその手続きと関連する世界観がある。物質的世界観だけを正しいものとして、他の世界観を暴力的に圧迫するやり方が、現代医学を支える(商業化された)科学の世界観とも言えるが、それこそが「うつ病」を増加させている可能性もあるのだ。

実際、今回の記事の中には、それを婉曲に伝えているアボリジニのメッセージも含まれていたし、現代医学の側に立つ人々の中にも、そういう問題に気づいている人がいるからこそ、古代から伝わる伝統医療やシャーマニズム(そこには未知の薬草学なども含まれる)にその解決の糸口を求める流れが出て来ているとも言える。

ウォーターセラピーでも「うつ」の相談は多く、現代医学に助けを求めても解決しない、あるいは薬だけ処方されて一向に改善しないというケースが多いのを、現場で実感させられている。結果的に、セラピーを通じて薬を必要としなくなるケースを何例も体験して来てはいるが、当然、何でもかんでも解決する訳ではない。

ただ、現代医学のアプローチでは難しかったり、解決不能に思えたりすることが、別な世界観に基づくアプローチでは、比較的容易に解決するケースもあるという事実は、伝えておきたいと思う。

ところで、私を「水の癒し」への道に導いて下さったのは、『銀河のマヤ、聖なる時の秘密』の共著者でもある江本勝先生である。私は元スタッフでもあったので、退職後も所長と呼ばせて頂いていたし、所長もそれを望まれていたので、「先生」というのはどうもしっくり来ないのだが、現場で多くの大切なことを教えて下さったという意味では、やはり大先生なのである。

江本先生が波動測定とか波動相談と呼ばれていたものを、「ウォーターセラピー」と呼ぶようになった経緯は、『霊性のアート 心の豊かさを育む技』P78に記してあるが、ひとことで言えば、そこで起こっているのが「水による癒し」だからである。

私も当初は、できるだけ科学的な立場から、現場で起こっている出来事を理解しようと努めていたが、途中から、「これは世界各地の先住民が伝えているような世界観を想定しない限り、理解不可能である」と思うようになったのである。それは「全てがひとつのいのち」として繋がっているという世界観である。

そこ(根源)からの分離、あるいは「分離感」と深く関係して、様々な問題は生じている。現場でそう実感し始めたころ、まさにそれを暦を通じて示した『13の月の暦(ドリームスペル)』にも出会ったのだ。

江本先生が世界的に評価された理由は、結晶写真という分かり易い表現を用いた事が大いに関係していると思うが、同時に、古代から普遍的に伝えられてきた世界観を「水を通じて再発見した」ところにある、と私は思っている。江本先生が、宗教も民族も文化も異なる世界中の人々から尊敬されていたのは、事実である。

「水」はそれだけ人間にとって普遍的で必要不可欠な要素であり、霊性という見えざる領域と見える領域とを橋渡しする要素でもあるのだろう。水に対する理解が深まるほど、世界に対する理解も深まる。そう心して、これからも「水による癒し」と、それを支える世界観を伝えて行きたいと思う。(D)

電気の月16日 7・蛇(KIN85)

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