わくわくツォルキン体操!

2020年秋、あるきっかけによって、天真体道(新体道)の中でずっと手をつけて来なかった棒術の稽古をし始めた。棒を使った基礎的な動きを行ううち、六尺棒が重心ポイントや全身の統合感覚を掴むのに非常に優れた道具である事を実感し始めた。

と同時に、自分の身体の左右バランスにも改めて意識が向き、何と、左の広背筋には意識的に力を入れる事が出来ないという驚きの事実を、この肉体で50年以上生きて来て初めて発見した。もちろん、無意識的にはちゃんと働いていて何の問題も無いのだが、随意筋を狙って動かせないという事実は、長く付き合って来た自分の身体だけに衝撃だった。

そこで、どういう時に広背筋が働いているのかを確認し、どういう運動をすると特にその筋肉が刺激を受けるのかを探求し始めた。右は意識的に動かせたので、その感覚を頼りにしつつ研究を進め、結果、「両腕を斜め前方に伸ばした状態から肘を腰の裏辺りに移動させる動き」をするとよく動く事が分かった。

そして、それに合わせて膝もリズミックに曲げると、全身の筋バランスが調和して動く感覚が得られる事も分かった。要点が整理されて形になったのは秋分の日(KIN177)で、名前は「ツォルキン体操」と決まった。実際、その動きは、20:13型ツォルキン(ハーモニック・モジュール)にインスピレーションを得たもので、そのデザインや意味とも深い関係があるからだ。

13の月の暦 時空のサーファークラス

腕の動きは広背筋の刺激を意図したものだが、その他にもいくつかのポイントがあって、それら全てが守られていると非常に面白い身体感覚が得られる。手帳には、その辺りの事も含め、自分にだけ分かるような簡単なイラストもメモしてある。

この前後に生まれたもう1つの体操(「驚きは魂のごちそう」Vol.20で先行的に発表している)とセットで行うと、更に素晴らしい効果と体感が得られるのだが、それについてはまた機会を改めて書きたいと思う。とにかく、広背筋のことをきっかけに、短時間で多次元的に心身を活性化できる体操が2つも生み出せたのは、嬉しい事であった。

本当はその時点で直ぐにでも発表したい気分だったが(それくらい直感的には完成度の高いものと思えた)、一定期間自分たちで試し続けた上で公開することにし、今日、ようやくその日を迎えたのである。せっかくなので、発見当時の興奮ぶりと検証途中のメモを、ツイッターの記録からピックアップしてみよう。

*9/23(KIN178)
ここ数日、新しい体操を2つ開発した。短時間でとても面白い効果が実感できるものなのだが、当面は自己修練のみに活用して長期的影響を探ろうと思う。ただ、それを行った後の体感は天真体道の稽古にも通じるものがあるので、生命の本質に直結する普遍性があると感じている。

*10/27(KIN212)
銀河の音4「自己存在」のキーワードは「形を定義する/測る」。それが月日で重なる「魔術の亀の日」、このひと月あまり検証してきた全く新しい体操が完成!私が生涯かけて学んで来た全てが入った、とても簡単で本質的効果のある体操だ。名称も含め、然るべき時に然るべき形で公開したいと思う。

*10/29(KIN214)
この体操をすると足裏の感覚が変わるのが確実に分かり、日常の歩行にも独特の接地感覚が生じる。上半身の筋肉と下半身の筋肉は骨格を通じて非常に密接に結びついていて、その連動状態によって互いに相補的にもなれば互いにブレーキにもなることを実感している。

足裏感覚を含む身体感覚の変化は、体操をやり始めた当初からすぐに実感していたが、1週間程度で左の広背筋も意識的に動かせるようになり、およそ1ヶ月が経過した頃には、明らかに広背筋全体が大きくなって来ているのが分かった。筋肉増強を目的にしている訳ではないが、軽く行っていても自然に付くし、大きな筋肉を効果的に動かすことで、すぐに身体全体が温まって気の流れが良くなるのがこの体操のミソである。

何の道具も使わず、単純かつ簡単な動きを短時間行うだけで大きな効果を得る。これこそ、私が求めて来た運動の基本条件である。肥田春充の強健術も青木先生の天真五相天真柔操も、この条件を満たしている。ツォルキン体操の見た目はちょっとコミカルだが、そこも含めて、この新しい体操は多くの方のお役に立てるのではないかと思っている。

とにかく、やっているだけでワクワクして来る動きなので、最終的には「わくわくツォルキン体操!」とする事にした(笑)。細かいポイントは追い追いワークショップなどでお伝えすることとし、まずは見た目からという事で動画を作成したので、それを参考に楽しんで頂ければと思う。きっと生命力が高まるのを実感していただけると思う。(D)

*体操の型を受け取ったのがKIN177(8・地球)、公開がKIN21(8・竜)で、どちらも「銀河の音」は「8(銀河)」。そして、チャネルから公開までの期間は104(13×8=宇宙×銀河)日だった事に後で気付いた。

律動の月23日  8・竜(KIN21)

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