ナポリを見て死ね(1)ヴェールに包まれたキリスト像

なぜナポリがこんなに好きになってしまったんだろう?治安では悪名高きナポリだけれど、実際に行ってみたらそんなことは全然なかった(もちろん普通に注意は必要)。ローマからITALO(イタリアの新幹線)でわずか一時間、ナポリ駅を降りた瞬間、アフリカの風が吹いた気がした。ナポリは奥深い。

今回、滞在中のローマから、弾丸ナポリ日帰を決行した主なきっかけは2つ。

★一つは、ナポリ(ネアポリス)が「ジョジョの奇妙な冒険第5部《黄金の風》」の舞台だから!

ナポリはジョルノ・ジョバァーナの街、そしてブローノ・ブチャラティ率いるギャング団パッショーネのホームベースであります!ジョジョファンなら行かなくちゃ!ちなみに私たちの旅とシンクロするように《黄金の風》は現在TV放映中

★もう一つは、ナポリの至宝「ヴェールに包まれたキリスト像」をこの目で見たかったから。

「ヴェールに包まれたキリスト像」(1753年)は、ジュゼッペ・サンマルティーノによって製作された、世界でも最高傑作の1つとされる大理石の彫刻。アントニオ・カノーヴァ(イタリア彫刻家)は「このような傑作を作れるのであれば生涯の10年を喜んで差し出してもよい」と、超絶技法の作品習得を試みたそう。

この作品は、ナポリの旧市街「サンセヴィーロ礼拝堂美術館」に所蔵されている。所蔵されているというよりは「安置されている」と言ったほうがふさわしい。礼拝堂に足を踏み入れた瞬間、驚かない人はいないだろう、荘厳な空間の中央に、ヴェールに包まれたキリストが横たわり、圧倒的な存在感で空間全体を支配しているのだから。

ヴェールごしのキリストの優しい表情、浮き上がった血管、手足の甲には十字架に架けられた杭のへこみ跡があり、もうあまりにもリアルで繊細。たった今、十字架から降ろされて、今ここに横たわっている「聖なる遺体」そのものだ。これが石だなんてとても信じられない。

その死せるキリストがヴェールに覆われて目の前に横たわっているのに、恐ろしくもなくグロテスクでもなく、そこからむしろ(キリストの死ではなく)「生命」を感じたことに、大いに魂を揺さぶられた。

それにしても、寝ている姿に生死を見分けるものはあるのだろうか?ヴェールをかけられているから、死んでいると思いこんでいるだけなのか?

とにかく、ナポリに行ったら「ヴェールに包まれたキリスト」に会わないと後悔します!絶対!(L)

美術館は旧市街にひっそり佇んでいます。小さな看板(右)があるだけ。迷子にならないように。

美術館入口。内部は、表からは想像もつかないほど宝物でいっぱい。天井も見事です。

入口を近くでカウンターを撮ったところ。これはポスター。

Sansevero Chapel Museum(サンセヴィーロ礼拝堂美術館)

場内撮影禁止につき、トップ画像は美術館で購入したポストカードを撮影したものです。
ちなみにソフィアローレンはナポリ育ち。痛く納得。ちなみに彼女の銀河の署名はKIN245/赤いスペクトルの蛇!キャ!

宇宙の月22日 6・白い世界の橋渡し(KIN6)

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